■会社の業績が悪くなった時にこそリーダーの本当の能力が分かる。
業績が良い時は誰でも顔つきは良くなるし、言葉も前向きになる。金払いも良くなるだろうし、寛容にもなる。 ところがリーダーの能力は業績が下降線になってきた時に現れてくるものだ。
時にはそれまでと真反対の態度になる人もいる。 常に業績が上向きであるはずはない。 そこで業績が悪くなった時でも多少の余裕をもって臨みたければ、少し前に手を打っておくことが大事になってくる。
■原因は必ず過去に起きている(因果関係)
TOC研修でいつも言うのが、「なぜ、このように残業ばかりになるのか?。その原因は数日前に起きている。その原因を見逃すから、後になって大慌てで残業せざるをえないのである」と。 その原因のひとつが、毎日産み出すMQつまり、MQ/Dayが落ちてきていることである。毎日3000のMQを産み出すペースが、2900,2800,2700と三段階さがれば、次は必ず2600以下に落ちる。 これが移動平均の見方、法則なのだから、すみやかに元の3000に戻す「行動」をとるのが正しいリーダーの眼である。 それを怠ったがために、三段階いや四段階五段階を過ぎてもボーッとしていて赤字転落になってしまう。 アラーム情報、異常管理は、敏感過ぎてもダメだが、鈍感過ぎてもダメなのであって、このあたりは品質管理の基本中の基本である。 ・少し早く手を打つ。 ・遅れは累積するのでダメ。(鈍感気質) ・早すぎるのもダメ。(敏感気質) 会社の業績が悪くなるのも同じで、許せない変化量を見逃してしまったことに原因がある。 だから企業は基準線を持たなければならない。 しかも数字で量的に計測できる基準を持たなければならない。 これが経営計画の意味する所である。 ということは、一年後の決算数値を見てからどうかというのでは遅い。
月次でも遅いときはある。
正しくは毎日動きながら、「この基準値をどれだけ下回ったら行動を開始する」という基準値と、その上限下限範囲を持って監視することがリーダーの正しい目線である。