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清水信博

■経営は速度である


TOCのレジュメの表紙に書いてあります。 速度とは、距離÷時間=速度 で表されますが、「速さ」と「速度」は異なります。 速度と言った場合には、(速度=velocityであり)方向性(ベクトル)が含まれます。 速さの場合には10kmを2時間で走って時速5Kmとなります。 ですから私が「経営は速さである」と言わず、「経営は速度」と言ったのは、「経営の方向性」があるよということでした。 (velocity)で気づいた方は、ゴールドラットの書籍。 ベロシティを思い出されたと思います。 さて、 方向性を持った距離とは何か? それは企業でいえば月間や年間の目標MQです。 そこがゴールだからです。 そしてMQはキャッシュMQです。 目的はキャッシュを生み続けること。 これが「ザ・ゴール」で言っていたことです。 そして「時間」とは何か? それは1年が365日、一日が24時間であり、 労働時間8時間ですから、まさに「制約条件」です。 つまり、 距離÷時間=速度とは、 目標(MQ)÷制約条件=速度となります。 目標MQ)が160で、時間が8時間ならば、 速度は、「時間あたり20稼ぐ」となります。 企業は与えられた時間(30日や365日)で、 目標とするMQを稼いでいくわけです。 ところが期限ギリギリになって慌ててMQ目標を 達成する学生症候群は危なっかしいのでダメです。 目標線に沿った綺麗な形で累積MQを上げていかなければなりません。 少しでも乖離したならば目標線に戻るように努力をし、思わず上回って達成が見えたならば翌月・翌年の手を打ったら良いのです。 その為には、 一日あたりいくら稼いでいくか、つまり速度が肝心です。 そのペースを落とさないこと。 これがドラムの役割となります。 つまり、MQ/H こそがTOC理論でいうところのドラム。 毎日10万円を生み出すシステムは、その鼓動を変えずに過ごしていけばやがては目標に達します。 時間あたり付加価値という言葉が、方向性をもった速度であるということがご理解いただけたのではないでしょうか。

単なる速さではありません。


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